サスケハナ川を横断する時に、蒸気機関車ごと乗船したフェリー「メリーランド号」

(シェリル氏提供 東善寺蔵)
(シェリル氏提供 東善寺蔵)

万延元年4月20日(西暦6月9日)に遣米使節団一行はワシントンからバルチモアを経て、汽車でフィラデルフィアへ向けて出発した。途中、バルチモアとの中間付近のサスケハナ河で体験したフェリーは衝撃的であったようだ。当時の村垣副使の日記によれば、「汽車が止まったので、見ると大きな川があって橋がない。船に乗り換えるのだろうと汽車から降りる支度をはじめたら係官がそのまま乗って行きますか、船で行きますかと、おかしなことを言った。そのまま待っていると、汽車ごと船に乗せ、川を渡って対岸に到着すると、レールをつないで又すぐ走り出した。」 村垣副使は「その不思議なことは驚くばかりである。汽車の中で眠っていた者は、川を渡ったことに気付かなかったろう」と日記に残している。一行は、メリーランド州のHavre de Graceからペンシルバニア州のPerryvilleへ渡った。